闇の世界の王として君臨していたが、何者かの裏切りで玉座を追われ、別の世界に飛ばされてしまう。
そこで出会った者たちと手を組み、闇の王の力を取り戻すため動き出す。 (公式サイトより)
男たちは死後の戦場を抜け出し己の根城を取り戻す。
サガエメ、魅力的な男キャラが案外少ないかなーなどと思っていたらこのシウグナス編におかしな男たちが集結していた!
※一周目程度ですがシウグナス編登場キャラクター達のネタバレが含まれているおそれがあります。
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どうやらシウグナス編では既に死者である初期メンバーたちの出身世界をそれぞれ辿ってまわるシナリオになるとのこと。楽しめそうだな。
とりあえずやたら殺意を向けてくる「人斬」の地から向かってみました。いったいどんなヤバい世界の住人なんだ……?
京都のミヤコ市じゃないか。あぶねーコイツ。
少しずつ分かってくるのだが闇の王はかなり付き合いがいい。
まあまあ打ち解けている闇の王と人斬。なるほどどうも人斬は随分昔の人間だったらしい。
500年前くらいの八条はん(仮)の先祖と人斬のお話、と思っておけばいいのかな。
僅かながら自分の過去を語る人斬。人の姿をしたあやかしを斬っていたら人斬の呼び名がついたという。
ウェーブに導かれて出会った綱紀との共闘を経て、
更にはゆめはとも邂逅。彼女を見て初めて聞く名前を口にする人斬。
走っていくゆめはに幼馴染みの幻影を見た人斬。その生前の想い。そこにゆめはがまた姿を現して、
河津神の語りすぎないテキストが猛威を振るう。
そして彼の物語の果て、人斬はシウグナスの眷属となることを申し出る。
ここもまた多くが語られたりはしないけど、闇の王のおかげで死後の世界から戻って自分の大事な記憶を取り戻したというだけで繋がってくるものがあると思う。そもそも生き返ったところで大昔の人斬り男に行くあてなどないのだ。
いや後々を見返しても一発目に人斬の地から行って正解だったな。
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お次は「哲人」の過去を追ってSF空間デルタベースへ。
案内ロボットに利用されていると気づいても「弱きを助けるのも王の務め」ということで付き合ってあげる闇の王。寛大すぎて笑う。
ツチノコの触り心地にご満悦な闇の王。
デルタベースに来た時の私を代弁してくれる闇の王。
暴走する族長を見て大満足の闇の王。
もしかしてこの人本作で、いや数あるRPGでも随一の「プレイヤーのテンションとシンクロできるノリのキャラ」なんじゃない?
例えば物語のキャラクターが本気で怒っているシーンがあったとして、みなさんは作中のキャラと一緒に怒るタイプでしょうか、「盛り上がってきたな!」と空気を楽しんでいるタイプでしょうか。筆者は後者です。
あと、河津神の「絶対厨二キャラになる設定なのにギリギリそうはならない(勿論ラノベ的ななんちゃって感ともまた違う)味つけ」の妙もまた思わされたり。
触る前はシウグナスを「厨二くさそうだなあ」と思っていたのに、実際に触ってみると確かに闇の王らしいのに全然厨っぽくならないバランス感。厨二というジャンルが確立される前から活躍しているクリエイターゆえか、古典ファンタジーに対する見識からなのか、もっと絶妙な(アセルスと赤カブ的な)バランスセンスゆえなのか。ともあれ「だから私には河津作品なんですよ」と思える要素の一つかな。
手塚治虫みを感じる。
ボス・獅子王戦。最後に特殊演出みたいなのがあってビビったがまだ何かサイドストーリーがあるのか……?
心奪われマグス。
哲人の回想話。獅子王に殺されたのか君は。
眷属にする時にはこういう選択肢が出ます。
眷属が増えることでシウグナスの技が増えていることには途中で気づいたけどその他の仕様については……それは後ほど。
いやしかし哲人よりも闇の王のノリがだいぶ掴めたデルタベース回だった。
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密林世界にて恩知らずな大鷲を石にし、
ディーヴァ編以来2度目の、選ばれた巫女が花となって枯れていくカマラの世界。
巫女としての使命よりも自分が生きてきた日常と妹のことで精一杯そうなチュプ。そんな彼女に「闇の匂いがしそうだ」と言いながらも律儀に付き合う闇の王。
この世界の美しくない側面が少しずつ見えてきたようだ……
チュプは儀式を前に突如姿を消してしまう。神官たちは「そういう場合にはチュプの妹を無理にでもチュプと同じ体にして生贄にする」と。
まるで人の不幸を待ち侘びているような言動だが……
一度は姿を消したチュプだったが、自分の半生と別れる踏んぎりをつけてきたようにエプイケとなる儀式へと向かう。
しかし……
「生憎だが、今の我が望みはチュプの花を愛でることだ!」
めちゃくちゃ主人公らしいことをしてる!
そして、カマラの園にチュプの花が美しく咲く──
闇の王、アンタ最高だよ……
宣言どおりにチュプの花を愛でる闇の王の姿があった。
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近代都市アヴァロンではまさかのすごろく方式で進行。電車旅などを楽しんでみる闇の王御一行。
仲間の「王者」はアヴァロン出身の格闘家だったようで、この王国の歴史を語りはじめる。
王者さん、戦士団のなかではあんまり人気ない方みたいだけど(というか体術が人気ないのか?)、筆者はクールさと「勝ち取った強者の傲慢さ」が垣間見えてて好きですよ。傲慢に浸れるほど世界は狭くないと頭では理解しているつもりだからこそ。
ロボットの路上ライヴにちゃんと対価を支払う闇の王。
アヴァロンでは戦闘賭博もやっている模様。折角なので参戦してみるとそこには──
親分(ミンサガ由来)何やってんすか……
ディーヴァ編でメインパーティだったボウディカーも。こんなんやってたんだな君。そして次なる相手は、
誰だよ。しかも強すぎなんだよ。
陣形を変え忘れちゃっててあえなく敗退……もう一戦リベンジしたかったけど敗者に二言なし。無念。
ええ、前回一緒に旅したグィネヴィアさんって元王妃だったの……? Plastic Treeのメンバーじゃなくて? 警察編のスクショを見返してもそんな素振りは……
マジやん。
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その後いつもの昼ドラ都市ではこれまでとは違って男の方が調子をこきだし、
海洋世界。前回は普通の大海原だったはずなのに今回は死後の海に。「同じフィールドマップ」という条件を巧く利用しているような変化だ。
伝説のわりにゲスかった大海賊を討伐しました。
そしてここで語られるのは「豪傑」の過去。どうしようもない海賊だったが、ある日詩人が語る物語を聴いて感動し心を入れ替えたのだという。
眷属となるのにここまで明快な理由もない。それは信もて立つ者の隣にあることだ。
簡易転送世界プロヴィデンスにて。
わざと自爆スイッチを押したりしてみました。爆笑王。
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「将軍」の過去を巡るのは最終皇帝の呪いに包まれたグレロンの世界。アメイヤ編序盤以来なのでかなり久々の来訪だ。
多分前回と違うルートなんだけど、やっぱりここの変化条件さっぱり分かんねえ。
そういえば攻略本『翠の導きの書』はシウグナス編クリア後に届きました(一周目くらいは全部自力で畳みたかったのでセーフだった)。
将軍の過去もあまりよく分からないままだったので失敗ルートだったみたいですね……。
その後キャピトルシティでは、闇の王に気に入られたのか売れっこ歌手のエミリーが仲間に。うーん眷属レディはいいんだけどもう終盤っぽいので今更メンバーには……
……強くない?
ああ そして一つは君の瞼の横に
ああ そして一つは君の死の窓辺に
闇夜の 花嫁
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いよいよ戦士団最後の一人、陽気さの裏に重い過去をちらつかせていた「戦士」の世界、砂漠と化したクロウレルムへ。シティ系の世界の出身なのかなと思っていたがまさかここだったとは。
村を守るために「パンドラ」に手を出し、村を救うはずが滅びを招きこの砂漠の世界を作りだしてしまったという戦士の過去。
王は戦士の闇を見届けつつ、今度こそ己自身で願いを叶えよと唱える。
河津神、「必要ないことは書かない」みたいな消極的なセンスというよりも「いくつかのピースから全体図が頭に浮かんでくる楽しさ」を心得ているんだろうなと度々思う。そもそもTRPG出身の方ですしね。
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そしてついに、闇の王は在るべきヨミの世界へ帰る。
ドロレスは別に闇の王のメイドでもないらしい。誰にでも同じような勘違いしてんなコイツ……あとそういえば未だにドロレスがちゃんとパーティに入ったことないですね。
新しい君主の下でなんか漂白されている闇の塔主たち。闇の美徳を取り戻せ!
これで元通り。いやそれでいいのか……。「妖怪は人心を脅かすのが務め」とか「ここでは上っ面を気取らないのがルール」とかそういうことなのかもしれません。
我が居城に居座っている不届き者とラストバトル! しかしラスボスの一撃目で味方3人が瞬殺されてそのまま負けました。
ええ、即死耐性の防具使えないよ……とメニュー画面を触っていたところで「騎士化」システムについてようやく気づく筆者。
眷属化:シウグナスのLPアップ+ブラッド技取得
騎士化:眷属になったキャラに即死耐性装備固定+ブラッド技使用可
ブラッド技:シウグナスと騎士たちで共用できる攻撃技。LPを消耗するけど強い。
廃人化:騎士から固定装備を取り上げるとしょぼしょぼになるらしい
といった感じのシウグナス編基本仕様でした。理解するのが遅すぎて駄目だこりゃ。
これでオーケー。全員王の騎士。
全員騎士で挑むと「これアリなの?」ってくらいヌルゲーになりました! サガエメ、やっぱり全体的に純粋難易度はシリーズの中では優しい方です(一回負けた奴が言うことかえ)。
シウグナス編、完。
闇の王とプレイヤー感覚のシンクロが高かったのと愉快な奴らばかりでかなり楽しかった。
◆ おまけ
小林智美先生、お元気されていますか?
「じゃあ久々に、シウグナス編のイメソンプレイリストなどでも作ってみようかな!」と開いた先は当然にもBUCK-TICKでした。
その当然っていうのは筆者がBUCK-TICKが好きだからってだけじゃなくて、度々語っていたシウグナスの「闇の王の威厳と、案外フランクで寛大な器の広さが共存していて、人の闇や業を眺めたり寄り添ったりしている様」が完全に櫻井敦司の立つBUCK-TICKみたいな手応えなんですよね。そりゃあ触れてて心地良いよねというか、人に愛される要素しかないというか。
はい。なんだか呼吸活動を取り戻したような気分だ (笑)。
一番似合っているのは『唄(ver.2021)』じゃないでしょうか。上に述べた「両作共通のほど良いバランス感覚」が最もよく表れている一曲じゃないかと思います。
エミリーは最初は普通に女性ボーカルの楽曲から選ぼうかと思ったのですが、『Mr.Darkness & Mrs.Moonlight』があまりにハマっていたのでこちらで通しました。あと人斬が『空蝉 -ウツセミ-』なのも私的ベストチョイスでお気に入り。
『ROMANCE』、王道すぎて普段はあまり入れないけど、まあここはないと駄目かなって。
「喜び、悲しみ、怒り、欲望の果て、」
ではサガエメは二週目に入っていきます。やっぱり書いている頃にはとっとと進めちゃっているのですが、このゲームはマジでずっと楽しいです。
p.s. Lucyのインスタライヴ見逃しました……