改めて、ゲーム『SaGa Emerald Beyond』を遊んでおりました。170時間超、16周回と遊びひとまずここで畳むこととしました。
……総評ですか? 「神ゲー」で良いんじゃないでしょうか。飽きっぽい自分が3ヶ月半もひたすら時間を見つけてはのめり込んでいたという時点で、自分としてはそう呼んでもいい位置の作品かと思います。今はずっと楽しかったな〜という満足感でいっぱいですしね。
……
前作『SaGa SCARLET GRACE 緋色の野望』を遊んでいた時には上のページを上げたりしておりました。……THE SPELLBOUNDの楽曲『すべてがそこにありますように。』に合わせてゲームのスクショが貼ってあるという、疑似MAD動画(静画)みたいなおかしなページですね。
このおかしなページが結構、本人からすれば「あー、こんなゲームだったな」「こんな進め方で遊んだんだよな」とパッと振り返ることができる、自分で眺める分にはお気に入りなページになったので、今回のサガエメでもそういうのを作っておきたいなあと。まああまりに趣味っぽいので上げるものなのかは分からないんですけれども (笑)。
私なりのまとめ、ということで。
最後なのでこれまでに上げたスクショよりいくらかネタバレ度合いが上がっている部分もあります。まあ、スクショ程度で何かが損なわれるゲームでもないよなとも思いますが。
◆
親愛なる 現実-うつしよ- よ
汚してくれよ
悲しい歌を上手く歌う おまえ
紛れもなく 逃れようもない 世界
深淵なる夜の色
おまえも見てる
痛みをくれないか データが欲しい
夢や幻じゃない
誰も見た事もない
永遠さえ追い越してゆく
本当に自由な天使
何にもない こんな世界で
飛んでゆく
飛んでゆく
永遠さえ追い越してゆく
風は吹く 時間よ止まれ
何にもない こんな世界だ
名を叫べ
名を叫べ
悲しい歌を上手く 歌うおまえ
紛れもなく 逃れようもない
おまえから
永遠さえ追い越してゆく
本当に自由な天使
何にもない こんな世界で
飛んでゆく
飛んでゆく
永遠さえ追い越してゆく
風は吹く 時間よ止まれ
何にもない こんな世界だ
名を叫べ
名を叫べ
永遠さえ追い越してゆく
本当に自由な天使
何にもない こんな世界で
飛んでゆく
飛んでゆく
飛んでゆく
飛んでゆく
名を叫べ
名を叫べ
「シンアイナルウツシヨヨ」
◆ サガエメの楽しかった思い出
一応活字としてもゲームの面白かったところのまとめを。上の『MISS TAKE』で場所取っちゃったし(自分からすればあっちが本体みたいなもんだし)簡潔にまとめていきたい。
① バトルの申し分ない楽しさ
これはもう言うまでもないかと。「独壇場」と「閃き」による最後まで決着が読めない展開。「インタラプト」による戦局操作。16周回と育成状態を引き継いでも全くブレることのなかったバトルの歯ごたえ。『約束されたプレイの蓄積と歯ごたえ』と、『最後まで油断ならないゲーム性』の両方が完璧に仕上がっている。ターン制RPGバトルの完成度としてこれを超える作品は当面は出ないんじゃないのかなとも思えるほどでした。
② 新たな種族
本作ではシリーズお馴染みの「ヒト」「モンスター」「メカ」などに加え、敵のソウルやバトル中に見た技を身につける「クグツ」やLPを減らしながらパワーアップしていく「短命種」なども新たに登場。手探りで一から考えていくのが楽しかったですね。クグツ、カスタマイズしている感が高くて筆者は結構好きでした。
③ シウグナスという主人公
口を開けば常に愉快、しかしキメるところはしっかりキメる。ひたすら混沌と美意識と可能性を是として一切ブレることのない男。彼の存在目的はただただ世界のすべてを謳歌する為にある。シリーズでも、いや数多のRPGを見渡しても進行役として素敵すぎる主人公だったのではないでしょうか。
④ ディーヴァの物語
I'm not miss take.
このイメージ画を見て「メカ編の雰囲気良さそうだな〜」とか思っていたのも遠い昔のようだ。
⑤ いろんな世界を回る旅路
例えばサガ2やサガフロのように……と言うにはかなり独自な仕様だった今回。
「フリーシナリオ感があまりなかった」という意見をたまに見るが、それについては某所で「ゼルダ・ティアキンの方がまさしく自由な冒険だった。近作サガは “何が起こるか分からない” という意味での自由さだ」と(苦言混じりに)言われていたのが実際のところ言い得て妙だとも思う。
筆者は世のオープンワールド系ゲームとサガシリーズの狙いが競合していたり互換性があるとはあまり思っていないのですが、サガが追求してきたのは「自由でも思い通りにはいかない楽しさ」ではなかろうか。「主人公のためだけに用意された自由なんかない世界」とも言っていいかもしれない。
⑤ 終わりなきシナリオ分岐
そしてそれを形作るのがどこまで盛り込まれているのか見当もつかないほどに膨大なシナリオルートとイベント・テキストの変化。周回を繰り返すたびに見たことのない物語や会話が出てくる。本当はまだまだ見終わっていないのだろうなー。
⑦ プールクーラの世界:ここだけでゲーム一本作れるんじゃないかと思った。
各ワールドから選ぶなら一番楽しかった世界がプールクーラ。各勢力をサポートしながらそれぞれの固有イベントに立ち合い、そして忍び寄る灰色の魔女のイベントもが絡み合って進行する。途中からは進行パターンが掴めてしまったきらいもあるけど、初見くらいでのとっ散らかりながらゴールに進んでいく感はかなり楽しかった。魔女たちももっと活躍してもよかったくらい良いキャラ。
⑧ グレロンの世界:ルート分岐の暴力
一方で最後まで攻略本のお世話になりっぱなしだった世界の一つ。最終皇帝がどう襲い来るのか分からない複雑な仕様もさることながら、そもそもの「村人が全員氷づけにされているので選んで溶かして、凍っている間に見ていた夢の話を聞こう」という設定がトンデモすぎる。
⑨ 変人と怪事件の巣窟・デルタベース
どれだけのシナリオが用意されているのかというほど色々あったデルタベースの世界。変人と怪事件に巻き込まれてばっかでサガ〜!って感じでした。
⑩ ドロレスに翻弄されるヨミの世界
所謂「傲慢ルート」がこれぞ闇のゴシックファンタジーといった感じで魅力的でした。
⑪ マーレ・ノストラムの冒険
この世界を始めてクリアした時の、「冒険って “泣きのシナリオ” を用意しなくても本当は『冒険』ってだけで泣けるんだよな」「マザー2も、ミンサガも、FF5とかもそういう作品だったはずだ」という感触は忘れずにいたい。
⑫ ご存じカマラの世界
シナリオは言うに及ばず。もう一つ言えば周回プレイのなかで物語が変転していく構成が一番ハマっていた世界なのではないでしょうか。
⑬ 個性的なキャラクターたち
個人的には歴代サガと比べてもバチバチにみんな濃かったかな……。主要どころ以外でのお気に入りは……サラーブなんかどこかドラマを感じて結構好きです。
⑭ やっぱりサガな台詞回し
浸りすぎて感覚が麻痺した感もあるけど、やはりサガのテキストは最高! 簡潔な殺意から含蓄ある言葉まで、煽り、主張、思想、感傷、謎の一言、全てが気持ち良い。どいつもこいつもドライだが、しかし人生の深みがある。
⑮ 音楽
『扉を超えて』は私からすれば完全にイトケンのバトル曲最高傑作を更新しきったと思う。グループ制作型になって幅広くなったアレンジも非常に効果的で、そこに変わらないイトケン節が生きている。今作の曲を聴かずして!って感じです。
⑯ アメイヤ編
あ、前回言っていたクリアできなかったバトルは無事突破できました(その後の真の裏ボスは全然倒せなかったけど)。
それは唐突なエンディングから始まり……発売から10日間以上も発見されなかったラストバトルルート。そして待っていたのは長い長い旅路の総決算のような展開。
──私は結構、RPGの終盤って既視感の高い光景や展開ばかりになってプレイのテンションが尻すぼみになっていくきらいがあると思うんですけど、今作の特にアメイヤ編では王道ながらも最後までここからどう物語が転ぶのかにずっとワクワクしていた……いや某ルートは果たして王道と呼んでいいのか? それも含めて万感のフィナーレ感の高いエンドルートでした。
⑰ 新作サガと言う、本当に何も見えないところから始まる大海
これはもう何度でも何度でも言っていきたい。「シナリオやバトルデザインはおろか、進み方も細かい仕様も全体像もまるで分からないところから始まる新作のサガ。これをやっている時ほど楽しいゲーム体験はない」、と。
一般的な “今回のキャラはバトルシステムはどうなるのだろう” とかのスケールじゃない、もうゲーム全体がまっさらで「これはどういう仕様なんだ?」というところから毎回始まる大冒険。それがサガの(というか河津の)新作が出るということ。
例えば、初めて触るジャンルのゲームを手に取った時にあった「あ、こういうゲームなのか」と理解しながら進んでいくようなときめきがいつだってサガの新作にはある。そういうゲームを遊びたいという私の希求に間違いなく応えてくれる、最高の新作でした。
そんなところで。
あっ設定資料集、出しませんか? (アルティマニアでも全然書けることいっぱいあるでしょう、今作)