しばらく前からアプリゲーム『無期迷途』に復帰していました。
もっぱらメインストーリーを進めつつ、各キャラクターシナリオ(「取り調べシナリオ」等)を開封してあるだけ読み直し続ける数週間でした。
しばらく無期迷途はおろかアプリゲーム全体から離れ、一時期はもうアプリゲームを再び手に取ることもないんじゃないかとも思っていました(本当にゲームがやりたいのなら売り切りソフトで十分だな、という判断でもあったり)。それでも、退廃都市と混沌と人の強さを緻密に描く『無期迷途』にだけは帰りたくなってしまいました。
とはいえ、やはり半年以上(「繋花」イベが終わったくらい? から)離れていた身なので、単純にその間のイベントストーリー・登場キャラクターなどはほぼ分からないし、いろんな楽しみ方があるなかで自分は自分の視え方を書いていくしかないな、とも思います。
なので、これは本当に自分の趣味のためのページ。「無期迷途という、好きな世界観とシナリオ描写を提示している作品のキャラクター」に、「自分の好みの音楽をイメージソングとして当てていく」というただただ筆者の趣味に振りきったページになります。(一応、以前書いていたもののリブートでもあります)
何卒。
◆
ヘカテー
[犯罪経歴より:【データ削除】]
やはり最初の1人目は彼女。主人公・局長が最初に枷をかけたコンビクト(異能力者)。生まれた時からコンビクトとして機関の研究実験にかけられ続け、その後は当監獄MBCCの地下に収容されていた。そして与えられた「使命」として局長と出会い、局長の右腕として数多の場で活躍し、そんな日々を重ねるなかで失った感情を取り戻していく。また、非人道的な実験の影響により十代半ばで寿命を迎えるだろうと推定されており、かつその年齢期を既に超過している。
筆者の第一ホーム画面はもうずーっとヘカテーのままである。おそらく今後もこの位置が変動することはないだろう。たくさんのコンビクトが自分こそが主役とばかりに活躍する本作でも、やはり彼女もまた局長と並べる「もう一人の主人公」であり、筆者が無期迷途という作品に心を寄せ続ける大きな理由であり続けている。彼女の幸せを願う。
ヘカテー:……自由なんて必要ない、守ってくれる必要もない。わたしはただ、局長を守れる力が欲しい。
ヘラ:あんたが自分の意志で決めた以上、それはもう自由ってことなのよ。
【イメージソング】
①:Teardrop (Massive attack)
とにかくトリップホップにしたくて、そのジャンル最大の名曲を持ってきてしまった。ヘカテーだからいいでしょう。
全くの余談ですが、最近知人と「一般的に有名な曲で一番好きな曲は?」という話題になった際に筆者は即この曲を挙げました。今になって「本当に一般的に有名だろうか……」とも思うが、ともあれそんな名曲です。
②:鼓動(2022MIX) (BUCK-TICK)
生きていたいと思う 愛されているなら
生きていたいと願う 愛されているなら
ごめんなさい ありがとう
この世に生きる あなたの鼓動
はかない だけど美しく
この世に生ける 全ての鼓動
はかない だけど輝いて
この世に生ける 愛する人
悲しい事は何もない
ヘカテーに、そして無期迷途の世界の一人一人に捧げる歌詞。しかし最高クラスの名曲2曲を与えられたな……。
あえての「2022MIX」の方なのは、単純にこちらのバージョンの方が良いかなというのもあるし、また無期迷途という作品が世に出た2022年を記してでもあります。
ヘラ
[犯罪経歴より:何度も集団事件に関与している上、警告を受けても改めないため、西区治安支局の常連である。]
もう一人の局長の片腕であり、スラムの西区シンジケートを逞しく生きぬいてきた悪ガキコンビクト。基本的には愛想のない局長&ヘカテーの賑やかし役……と見せかけて暴走する2人のストッパーをよくやっている。親友のナインティナインいわく、いつも明るく、無法地帯だからこそ友情を重んじるヘラは西区の「太陽」だ。
世界がどんどんインフレしていく無期迷途で、いちB級コンビクトにすぎない彼女がどう在り、そして強くなっていくのか。それもまた今作の一つの物語であります。
ヘラ:ちゃんと覚えときなさい、あたしたちコンビクトは自分の心を持ってるの。あたしたちの心は力の源、誰にも奪われたりはしない。
【イメージソング】
BWBB (Softcult)
最初はPALE WAVES辺りで考えていたが、「もっと暴力的で、かつしっかりキュートで真っすぐなものを」と考えていたらSoftcultでいいじゃんとなった。近年では特に好きなバンドです。
ウェンディ
[犯罪経歴より:チェーンソーを手に徘徊し、数十件の障害事件に関与している。非常に攻撃的で、コミュニケーションも取りづらい。]
大笑いしながらチェーンソーを振り回す伝説のコンビクト(らしい)。その正体は人間を化け物に変える「狂瞳」汚染の処理を任せられていたとある小隊のメンバーであり、汚染にやられて潰えてしまったその小隊最後の生き残り。
プレイ当初以来に彼女の取り調べシナリオを読み返したが、やはり胸を打たれる内容だった。最悪の環境で働かされ続けた小隊、着せられた濡れ衣、汚染により人でなくなっていく仲間たち。ウェンディが失いたくない、仲間たちが立派に生きていたという証……。やはり無期迷途の世界とシナリオ性の導入として完成されきっていたと思う。
ちなみに作中において彼女を題材にした映画を撮りたいという話もあった様子(その場では破談したが)。完成を求む。
ウェンディ:こんな凄い仕事ができるんだから、アタシたちのようないつ死んでもおかしくないような人だって、まだ生きている意味があるんだって…… ほら、この世界で一番尊い、偉い人みたいじゃない?
【イメージソング】
Over (The Birthday Massacre)
やっぱりこれ以上ないくらいにTBMがハマりまくっている(ヴァイオレンスさ、ゴシック・ホラー感、キュートさ、センチさ、その全てにおいて)。
アリエル
[犯罪経歴より:ニューシティにいる狂瞳の存在を隠蔽、また狂瞳に生活支援や資金を提供した]
西区と隔絶された都市部・ニューシティの良家のお嬢様だったが、元々父からの扱いが冷えきっていたうえ、見ず知らずの狂瞳化した人間を庇いMBCCに収監されたことで完全に家族から「抹殺され」てしまう。局長はそんな彼女たち家族の最後の場に立ち合い、そしてアリエルを新たな居場所へと迎え入れることとなる。
バトルでは回復能力を使えるコンビクト。回復系と言えばハーメルさんがずっと性能一番人気らしいが、筆者は攻防にも回れるアリエルの方を重宝している。ヘカテーに次ぐ一軍最古参です。
アリエル:死瞳たちも……きっと苦しんでいるはずです。…今すぐはできませんが、わたくしが強くなって、きっとあなたたちを苦しみから救い出しますからね。
【イメージソング】
Everything Gleam Between Clouds (matryoshka)
彼女にあてる曲は結構悩んで……歌姫系、それこそKOKIAさんとかでもアリなんじゃないかと色々漁ってみたが、結局は大正義matryoshkaに落ち着いたという。
アン
[犯罪経歴より:看護師長の名義で、狂瞳病患者の遺体を収集し、冷凍保存していた。]
西区、いやディスシティで唯一狂瞳病の治療に取り組んでいる医療施設「彼岸クリニック」の看護師長。誰もが認める献身性で患者たちと向き合っていたが、一方で死にゆく患者たちとの約束を断ち切れず、もう死んでしまった患者たちの遺体であれ回復できると錯覚して保管し続けていた。そして局長の説得や、何より狂瞳病者自身ともう一度触れ合うことを通して、彼女は再び現実と向き合い対峙していく。
彼女の取り調べは何度読んでも名シナリオだと思う。
彼女には二つの山が肩に重くのしかかっている。一つは「患者の期待」、もう一つは「医師の悔しさ」と呼ばれるものだ。
【イメージソング】
Monotonous Purgatory (matryoshka)
回復系コンビクトは全員matryoshkaにするとも言わんばかりの勢い。わりとそれでもいいかなとも思う。
アイン
[犯罪経歴より:「彼岸クリニック」という避難所としての機能と医療技術の支援を提供する場所を創立した。同時に、患者へ無許可の神経改造を行っているという噂もあり…]
彼岸クリニックの恐ろしい医師。患者が生き延びたいと言えば全ての神経を絶ってでも治療する。本人は粗暴かつ不摂生、そして牙を剥くマフィアらはすべて叩き潰す。若かりし頃に狂瞳病と向き合わない医療業界を強く非難し、単身で狂瞳病治療の活動と研究を開始。自身も狂瞳に侵されコンビクトとなり、医者の命である利き腕を失っても、なおも医師として狂瞳病と戦い続けている。
たしか最初に好きになったキャラはアインさんだったなあなどと思いつつ、彼女の新たな活躍を今でも楽しみにしている。そういえば映画イベで恐怖のホラー医師みたいな扱いをされててあれはあれでハマっていたな。
アイン:私が治療したいのは、シンジケートそのものよ。
【イメージソング】
残骸 (BUCK-TICK)
SCHWEINとかKMFDMみたいな、攻撃的ながら骨っぽい(あまりマッチョ感のない)インダストリアルロックをお求めしていたのだが、あまりこれだ! というのが見つからず、結局一周して「残骸でよくない?」となってしまった。実際バッチリだと思います。
デーモン
[犯罪経歴より:アベル予備議長を殺害した容疑がある。その後数年間、市議会の他の幹部に対し襲撃を続けていた]
陰謀により父が殺され、その濡れ衣を着せられ、復讐に駆られ、更に大事な妹も秘密裡に処され……という生きる地獄に立ち尽くす男。
……という本編のハードさはさておき、番外編やネタムービーでは何故か路上ダンスをやらされたりメイド服を着させられたりとおかしな扱いも目立つ男。まあその、みんな貴方に元気にしていてほしいんですよ、多分。
ゲーム上では多くのユーザーがメイン防壁に使っているらしい点も愛されるポイントか。私もずっとお世話になっています。
あなたがどこで何をしていようと、あの人たちに何を言われようとも、あたしはあなたを信じてます。あなたと出会ったことに……ずっと感謝しています。
どうか、あなたが健康で幸せに過ごせますように。
【イメージソング】
Hurt (Nine Inch Nails)
デーモンと言えばこの曲みたいなとこある(完全に個人のイメージです)。まあTrent Reznorも絶望破滅男のようなイメージだったのが今やすっかりロック界を背負う大将なので、人生は続くものだよなとも思うのです。
NOX
[犯罪経歴より:都市伝説「コンビクト死神」の原型。死瞳と似た感染症にかかっていると見られる。]
都市伝説として噂され恐れられていた死神。身体的な生命活動は止まっているに等しいらしい。ある奇病に苛まれていた少女が、高濃度の狂瞳エネルギーに巻き込まれ人間だった姿を失い、この存在に至ったという。
初めて読んだ時には大分ちんぷんかんぷんだった取り調べ内容も、今は世界観への理解が追いついたからか記憶よりもするっと読めた。海外ミステリーSFのような空気のお話だったかな。
ゲーム面では未だ前衛攻撃最強として挙げられるとか何とか。自分も彼女頼みで突破したステージが多すぎて、彼女がいないだけでほぼ縛りプレイの域なんじゃないかと思ってしまうのですが、案外行けるものなんでしょうか。
アンバーは消え、NOXは残った。しかしそこにいるのはアンバーでもなく、狂気の影でもなく、かつてあなたを守ったただの抜け殻だった。
【イメージソング】
Girl (Go-qualia Remix) (world's end girlfriend)
いろんなイメージの向け方がありうるかなとも思いつつ、一曲に絞るならこの曲で。しかしworld's end girlfriendというワードは特にNOXにぴったりだ。
白記事務所(ハクイツ・澈・K.K.)
[情報:事務所とは名ばかりの幽霊会社。債権回収、凶悪犯の雇用などの違法なビジネスに従事し、シンジケートの治安を著しく乱している。]
ハクイツと澈が何らかの理由で事務所を設立し、そこに新人K.K.も合流することで現在の3人事務所に至る。陽気かつわちゃわちゃとしていて、ポストアポカリプス終末世界でこいつらだけ銀魂をやっているに近い。メインストーリーにも結構絡んでくる儲け者たちである。
実は未だにハクイツさんを引けていないので具体的に書けることは何もなく……そんな事情もあって3人纏めてのご紹介となりました。人気の高さには色々と納得しかないでしょう。
K.K.:二人と一緒に過ごした日々が好きなんだ。だから力不足でも頑張って強くなった。あなたたちに会ってから生活の意味が見い出せたんだ。「K.K.のため」とか言って見捨てないでくれ。
【イメージソング】
LUCKY #10 (OBLIVION DUST)
多分澈はこういう音楽が好きだろうと勝手に思っている。
ケルシー
[情報:シンジケート最大のマフィア「西区軍団」の参謀役。非常に用意周到な人物であり、滅多に他人を信用しない。]
メインストーリー序盤で活躍する軍団参謀の男。非プレイアブルキャラ。
様々な非プレイアブルキャラクターが活躍する無期迷途だが、そのなかでもケルシーはやはり自分のなかでちょっと特別だなと思う。敵でも味方側についていてもどこか油断ならない──それでいて鮮烈に散っていった男というのは、特にソシャゲというゲームジャンルでは中々類を見ない立ち回りだったかな。
ケルシー:分かっていただけたようですね。ですが、あなたを連れて行くのは私ではありません……
ケルシーはもういない。ゾーヤは急いで振り向いた。既に外の道の中央に立つ彼は、微笑みながら彼女を見ている。
【イメージソング】
転生 (櫻井敦司)
ゾーヤ
[犯罪経歴より:シンジケート最大のマフィア「西区軍団」のボス。]
実は未だにゾーヤを引けていない。いやちゃんと回してるんですよ、はい。しかし大メインキャラかつ無期迷途アプリアイコンの顔でもある彼女の活躍は、メインストーリーだけであってもしっかりと見てきたはず。
度々語られる「暴力を憎んでいたが、しかし彼女こそが暴力そのものだった」というテーマは、無期迷途に関せずとも世を取りまく永遠のテーマでもあるかなと。
局長:彼女の戦いがこんなものでいいはずがない。このまま彼女を奪われるわけにはいかない。
【イメージソング】
Outsiders (Suede)
どういう曲にしようか、ラウドで攻撃的な曲か、ボス戦みたいなドラマティックなのが良いのか、などと考えたが、一曲に纏めるのならとこの曲に落ち着いた。
Suedeっていうのがまた無期迷途の看板キャラとして相応しいかなあとか思います。例えば「無期迷途が映画化します。主題歌はSuedeです。」って言われたらベストすぎる采配が来たなと思うような、そんな強き退廃ロックバンドのSuedeです。
ナイチンゲール
[経歴:局長の副官として、MBCCの日常の事務処理を手伝っています。優れた管理能力と戦術的思考を持ち、忠誠心も厚く、頼れるサポート役です。]
(部下だけど)アイマスで言うところの社長枠。日々の局長の業務をサポートし心配しそして怖れられている。
その素性には謎が多く──というよりも物語の核心に多かれ少なかれ携わっている一人であることもまた示唆されている。しかし彼女が心情的にも頼れる副官であることは、これまであらゆる死線や窮地を共に潜り抜けてきたなかで明らかでもあるだろう。信じてこれからも共にしていきたい。
それはそうと片想いの相手がいるとかいう真偽不明の噂は一体……
ナイチンゲール:おかえりなさい、局長。皆が局長に会える日を待ち望んでいました。
【イメージソング】
Protection (Massive attack)
「ナイチンゲールのコレクション」(※作中で手に入るBGMアイテム)のおかげで完全に「こういう音楽が好きなんだろうな〜」みたいなイメージがあります。自室の一角にリミックスものの円盤がずらっと並んでいる棚とかありそう。
局長
主人公。男女選択可能。
MBCC暴動事件のさなかに目覚め、記憶を失いながらも局長として活躍、様々な任務や死線、収容者やその周辺との関わりを潜り抜けて今日に至る。
初期のシナリオを見るとやはり当初は「手段の選ばなさも兼ね備えた大人」っぽかったなと思うが、シナリオが進むごとに真っ先に渦中に突っ込む突撃隊長みたいになっていった。しかしやはりソシャゲの視点主人公にしては口も手段もよく回る奴である。わりと煽り魔。
悪罵を吐かれ、貶められ、過ちを犯し、自分の存在に悩み、コンビクト達のどうしようもないような苦難と向き合い続け、それらを抱えてもなお着実な判断を積み重ねながら物語の最先頭で走り続ける彼女はとても力強い。「無期迷途で一番好きなキャラは?」と訊かれたら私はわりと素直に「局長かな」と答えられる。主人公が一番好きだと言い切れるコンテンツ、あまりにも心が平穏だ。
お綺麗でしょう? 最近はついに過労がたたってゴリラの物真似をしながら所内を歩いたりしているんですよ。
局長:誰にも機会があり、誰もが選択しないといけない。想像上の悲劇に溺れず、他人に期待せず、ブラックリングに相対するんだ。
【イメージソング】
①:BUSTER (BUCK-TICK)
②:愛ノ歌 (BUCK-TICK)
そんな「Mona Lisa OVERDRIVE極めてます」みたいなソシャゲ主人公いるんだ……。実際これで間違いないと思います。
世界を踏み潰すBUSTER(上庭・統治機関)
お前は喰い潰すEATER(地底勢力)
穴を掘ってるのはDIGGER(犯罪組織たち)
局長「深い暗い巨大な穴。お前の墓の穴だ、Bingo」
わりと普通に言いそう。
狂った世界で 愛の歌を あなたに捧げよう
これでよし(これを作りたかった)。
こう、変に無茶な解釈をしなくても「大体こういう曲でしょ」とこの辺の曲が並ぶのが、筆者が無期迷途を気に入っている一つの所以かなあと。
一方で今回は最初期からの主要キャラたちで纏めましたが、やはり最初期組はスラムな退廃感がより強いですね。後に控えているコンビクトたちを思うとここまでパンクなのは今回くらいかも。それもまた、「1stアルバムの頃は後年よりストレートなアプローチだったんだよな」みたいな手触りで良いんじゃないかなとも思います。
──『愛ノ歌』という曲を十代の頃から知っていて良かったな、などとふと思ったり (笑)。単にこれを書けたからと言うよりももっと、そういう “視点” を育ませてくれたというか。これらの音楽たちから授かった土壌がなかったら無期迷途という作品に対する受け取りもまた違ったかもな、というような。しらんけど。
File.2へ続きます(続かせます)。