無期迷途のキャラに趣味の音楽を当てていく、3回目。
大体ディスカーイベント以降のキャラクターたちの登場になります。その辺りから筆者の逮捕数とイベント参加に空きが出てくるので非常に飛び飛びなところもありますが、今現在書ける範囲の人選で、ということで。
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ジェイン
[犯罪経歴より:3年間でニューシティの銀行を次々と襲った強盗で、その金額は3700万ディスコインに上る。]
身元を伏せて治安官に務めているが、以前は家族を楯にとられ強盗団体の主力メンバーをやっていた。そして取り調べシナリオではかつてのボスと再会し決着。家族の稼ぎと強盗被害の全額返済を自ら請け負ったためお金に飢えている。
……というハードな背景と相当な実力に反して、普段はぼうっとしていたり天然めいたムーヴをとることも多々あり。学生くらいの年齢の他コンビクトたちと結構仲良くやってるらしい。
ジェイン:あたしみたいな人間をそこまで気にしなくていい……あたしは全部上手くいくように頑張る。
【イメージソング】
Digging Deep (Jakalope)
意外と初Jakalope(個人的には格好良い女性ボーカルバンドというときに真っ先に頭に浮かぶバンドだったりします)。ゆるいところとハードな側面のコントラストがそれっぽいかなと。
エウレカ
[犯罪経歴より:長年にわたってさまざまな奇妙な発明の研究と製造に注力してきた。…在職期間中、郊外の工場で爆発が発生していたことが判明した。]
機械の発明や開発を志していたところ、騙されて闇企業の武器開発を強要されてしまったという過去を持つ。MBCCコンビクトが誇る天才科学者の一人。
うっすら分かってくるけど筆者は水色系の髪色が好き。スチームパンク系のイベントとか来ないですかね。
エウレカ:わたしが発明をするのは、人を傷つけるためじゃない!誰より優秀かなんて、別に気にしてない……わたしがほしいのは、ただ……
【イメージソング】
Glasgow (Pale Waves)
こういうエフェクターで浮遊感のあるギターの音が欲しかったんだけど、とりあえずPale Wavesに頼りがち。
イヴ
[犯罪経歴より:ブオナノッテおもちゃ工場の現オーナーで、玩具化異変の元凶。私的な目的のために工場の全ての生き物をおもちゃに変え、それらを強制的に動かしていた。]
『恐夜人形』イベントのメインキャラ。幼い頃に事故で両足を失っている。工場の中だけが彼女の世界だったが、その工場が傾きマフィアに踏み入られ、狂瞳汚染による爆発事故が発生。それでも彼女は己の世界だった工場を捨てられず、能力で生んだ玩具たちによる結界を作った。そこから更に彼女自身が起ち上がっていくのは取り調べでのお話。
無期迷途には彼女も含め身体の一部が動かなくなった登場人物が多く見られるが、その描写に意味がないわけでもなければ雑すぎることもない描写を継続している。凄いことだと思う。
イヴはシナリオもビジュアルも最高です(筆者語る)。
局長:あなたは明日を迎えるんだ。彼らの分まで。 あなたが前を向いて進まなければ、思い出の中の彼らも、ずっと過去に囚われたままだ。 さぁ、ここから出よう。
彼女の曲は……既にありますね。筆者もお気に入りの一曲です。更に加えて
【イメージソング】
Sink into the Sin (matryoshka)
満を持して。イヴに取っておいたのだ。
……ただイメージ先行で選んでるところもあるので、一応彼女の文脈面に対する一旦の補完としてLUNA SEAの『WISH』のピアノインスト版も上げておきたい。伝われこの大盤振る舞い。
L.L. (ローレライ)
[犯罪経歴より:ダークウェブ掲示板「極楽島」の「島主」。人々の精神と意識を刺激して閉じ込める。]
先のイベント『溺れろ、無憂の海に』のメインキャラ。掲示板サイトから閲覧者の意識を願いが叶うパラダイスへと(狂瞳の危険と引き換えに)連れ去っていた。
常に水に浸からなければ筋力が低下してしまう先天性の親水症を抱えており、自宅から出たことが一度もなかった。またそれを理由に両親はL.L.を見離し彼女を残して家を出ていき、彼女は仕送りだけで残された家に籠り続ける状態になっていた。
取り調べでは紆余曲折の末、今度は彼女の方がマシュマロという足を患った飼い犬を引き取り、育てていくことを決意する。マジで教科書か何かに載ってもいいようなお話だったと思う。
ローレライ:それでも……この子を思いやって、ちゃんと世話をしてあげたい。
【イメージソング】
You and Me (Beef's Teen Tooth Remix) (dropz)
さほど水底感のない、むしろ解放感や躍動感に向かっている曲が良いなということで。電子、幻想、人間らしさ、孤独、希望へと歩みだすこと、もう全部BUCK-TICK星野英彦のソロワークに任せました。
トト
[犯罪経歴より:滞在記録のない異邦の者。ディスシティで詐欺商法、無許可営業などの罪を犯し、シンジケートの住民の生活をも乱している。]
シンジケートの荒野の先にある流民要塞で出会った陽気なチャルメラ吹き。異邦の出身で、幼少期にとある劇団に引き取られ劇団と一緒にシンジケートへと不法侵入したが、劇団は狂瞳病で壊滅した。現在はソロの音楽家をやっているという。
陽気ながらも死を俯瞰する彼女の言動や姿勢は、彼女自身の経験でもあり、彼女の師からの教えでもあり、斎場のコフィンとの精神的な繋がりでもあるのだろう。
トト:「命の終点は死ではなく、忘れられることだ」と師匠が教えてくれたんだ。おばあちゃんが亡くなった今、パラマは本当にこの世界からいなくなってしまったんだね。
局長:少なくとも私たちが、彼女の代わりにいつまでも覚えている。
【イメージソング】
Everything Counts (Depeche Mode)
Depeche Modeあたりにチャルメラ使ってる曲があるんじゃないか? と思ったら代表曲にそれっぽい音が入っていたという。
コフィン
[犯罪経歴より:「別れの儀式の進行を司る、シンジケート唯一の会堂司」として活動]
流民要塞にある斎場の会堂司。まるで生と死後の世界を行き来するかのような言動を見せており、表記上の能力では死者の「脳と体が最後に放出した電波と磁場を感知することができ」るというらしい。
生きることの苦しみと幸せを切々と語るようなお方。彼女ぞメメントモリ。勿論筆者の大のお気に入りです。
コフィン:祈り?そんなつまらないこと……しないわ。
【イメージソング】
Pepper-Tree (Cocteau Twins)
ここぞとばかりのCocteau Twins。ハマっているでしょう。
コージ
[犯罪経歴より:シンジケートのグループ「野良の子」のリーダーであり、子供のみを助けるという。]
自身もまだ幼いながら強力な能力でシンジケートの子どもたちを危険から守っている、子どもたちのカリスマ。年齢にそぐわない達観した態度と物言いをしており、大人たちを敵視している。
中盤から活躍するキャラクターながら主役を張れるほどのポテンシャルを持っていると思う。造形が主人公的だというか。
コージ:みんな口では暴力が嫌いと言いながら、自分が既に暴力の一部になったことさえ気づいていない。願いを実現したいと思えば思うほど、近道を選んでしまう。でもここ数年、シンジケートに残された近道はもはや暴力しかないの。
【イメージソング】
Missing Link (CURVE)
ヴィジュアル系バンドの若い頃の曲とかでもいいかなと思ったが、具体的にイメージを定めていったらCURVEに着陸した。ちなみにV系ならPlastic Treeの『割れた窓』とかだったと思います。闇系シューゲイザーっ子か?
クロウ
[犯罪経歴より:プロのライター。また、対象はスパイとして執行委員会に潜入し、(叛乱組織)錆火の暴動にも参加した。]
メインストーリーにて局長と行動を共にし、大きな見せ場を残した潜入ライター。(マインド的な)本職は詩人。実は筆者はまだお迎えできていないのだが、そのくどいポエミーな台詞まわしと謎に専用BGM持ちという独特なインパクトで印象づけられた。
彼女の詩は少なくとも局長とコージにはまるで評価されていないのだが、意外にも流民要塞の子どもたちの心には刻まれており、そして彼女にはシンジケートに学校を創りたいという夢があるらしい。
多分学校への夢については取り調べで掘り下げがあるのかな〜と思っているので、筆者の趣味的にも是非早々にお迎えしたいのです。
クロウは大笑いしながらペンを振る。その力と詩も生まれ変わった。自分が書いたものじゃなくてもいいでしょう?詩人の思想はもう生徒たちの手で、より遠い高みへと向かったのだから。
【イメージソング】
アゲハ (Tourbillon)
最高に満を持してのRYUICHI先生。いやもうここで出さないでどうすんだっつう。『アゲハ』は詩・曲ともに私が想う最高の名曲の一角です。
焼き尽くされたこの大地に
あの憎しみの光は宿った
志高く紛争重ね
雪を 降らせ 全て埋め尽くし
何故君は諦めないの 誰も住まぬモノクロの時
そう君が目指してる未来は…
存在さえも確認まま成らない
美しき終焉は永遠に 君と共に
クリスティナ
[犯罪経歴より:現在ニューシティ治安局の刑事代理を務めており、ニューシティ治安局内で最も心もとないメンバーだ。]
『繁花』イベントで主役を務めた、古い探偵気取りの若い刑事代理。「花庭園」という暗殺組織と、尊敬していた上庭・シャロームに、そして自身の記憶への混乱に翻弄されながらも、激戦の舞台を果敢に駆け抜けた。
無期迷途はカオスで複雑で時として抽象的だけど、物語の軸は絶対に「真っすぐな正義心」だよなと思わされたシナリオであり、クリスティナの姿だった。
ヘンリー:でも今日、そうじゃなかったと証明できた。俺は夢ばかり見るポンコツじゃないって。正義を求めることにはちゃんとした意味がある。……だからありがとう。俺の正義の夢を叶えてくれて。
【イメージソング】
open the auto door (POLYPLUS)
管楽器が主体の曲がいいなと思って(大体コナンやルパンの影響)。中盤からの盛り上がりがそれっぽいかな。
コクリコ
[犯罪経歴より:花庭園の「師匠」で組織の現在唯一のリーダー。指示あるいは直接手を下したとされる権力者襲撃事件は数え切れない。]
暗殺組織・花庭園を束ねる師匠。地底勢力からの依頼で上庭のシャロームを襲撃し、数度の激戦を繰り広げた。
花庭園を自分自身と同じ孤児たちの拠り所として営んでおり、敵には容赦ないが仲間には甘すぎるかというほど優しい。一応花庭園は解散したのだと思うが、多分MBCC内の出身メンバーで花庭園ファミリーを営み続けている。
また暗殺組織のボスにしてスキルは回復系能力。矛と盾の振れ幅が強すぎて選曲に迷わされます。
コクリコ:ヒナゲシは花の土となって、いつまでも全ての種を育み、寄り添い、守っていくのよ……永遠にね……
【イメージソング】
左手 (睡蓮)
一切迷わずに決めた。
マチルダ
[犯罪経歴より:ニューシティのカヴェンディッシュ家の令嬢。かつて再建委員会に所属し、ドナルドの副官を務めていた。実際は錆火の秘密協力者である。]
メインストーリーで活躍していたけど引けてない。ピックアップお願いします、ガン回ししますよ。
西区再建委員会という公機関の一員だったが、実際には上司ドナルドと共に委員会を見限り現地での暗躍に勤しんでいた。名家としてエリートの道を進んできたが、西区の現状を見て考えを改め家族と袂を分かったという。そして、一連の事件のあとにはMBCCの職員へと異動している。
非常に生真面目で、副官のナイチンゲールを尊敬しているが、彼女が左右どちらの足から動かしているかまでノートにメモしているという……。
マチルダ:力が増すということは、責任も更に重くなるということです。
【イメージソング】
THE CAGE (SUGIZO)
「超真面目だし、ガンダムにいそうだし、SUGIZOでいいんじゃないか」と思って。女性ボーカル起用曲などから選ぼうかと思ったけどSUGIソロの曲は大半がいやに壮大なので結局『THE CAGE』になった。何度も「だったらINORANにしようかな」と思った。
ドナルド
[犯罪経歴より:錆火の元リーダーで、N.F.103~104年の西区鉱山作業員組織と涅槃集団の対立において主導的役割を果たした。N.F.113年に再建委員会に加入したが、その後再び裏切って逃亡。]
かつて錆火の英雄と呼ばれていた男。上庭の組織に捕まり、叛乱への裏切りを命じられ、孤立、精神崩壊、そして今また暴動の場に戻ってきた。おちゃらけた素振りも見せるが、誰よりも冷静に今やるべきことを見据えている。
上庭のシャロームと関わりがあり、それが理由なのかあまり能力を使わないようにしているらしい。
ドナルド:西区が経験してきたことは覆せない……だが恨みや復讐より、俺たちに必要なのは希望に満ちた未来だ。……ヒュ~!いいこと言ったな。さあ、褒めてくれてもいいんだぜ。
【イメージソング】
かなり古い曲だとしても、ここは絶対にこれだろうと。
And the guns
Shot above our heads
And we kissed
Then we could be heroes
Just for one day
銃弾が飛び交う下で、彼らは壁越しにキスをした。 “この悲惨な戦争に英雄はいない。あるいは……全ての人々が英雄だ”
シャローム
[犯罪経歴:【データ削除】]
ディスシティを管理している機関・上庭のスイーパー(実行担当)。落ち着いた言動と的確な判断、そして殲滅といえるほどの破壊能力の持ち主。
……もう登場して一年にもなるし、ある程度のネタバレやむなしとは言ってもどこまで書くものかとは思うが、とりあえずざっくりしたポイントとして
・今はMBCCに敵意はない ・記憶を失う前の局長を知っており、「友人だったと思っている」と語る ・ナイチンゲール副官もドナルドも、彼女を(ある種「上庭」の名前以上に)警戒している ・彼女の行動は全て「理性」に基づいた行動となっているらしい ・「使用期限」が残り少ないらしい ・ヘカテーと関連があるのかもしれない と言った感じ。
彼女の取り調べシナリオは強大な理屈の淵から “人の意思” が音を立てて動いているような趣で、所謂泣ける系とは違うベクトルでの傑作だと思う。
ほら、道具は、今この瞬間に、壊れた。
【イメージソング】
①:INFANTILE VICE (1995 ver.) (SOFT BALLET)
「無機質と思念」をお題として藤井麻輝に敵うものなし。
②:SELVES (LUNA SEA)
シャロームさんのテーマBGMもベートーヴェンの『月光』なので、おっどこかのバンドと一緒ですねということで。彼女の理性に対する “感性” の側。
“理性的な私が留まると共に、残された感性の部分は狂瞳の奥深く” ……
時が描いた世界が
冷めてゆく…
ぬくもりが
きえないように
時に刻まれた愛を
伝えたい
いつまでも
この熱を
いつ ま でも
ヘラ 【イメージソング】
②:Hey my friend (Tommy heavenly⁶)
ずっとヘラにこの曲のイメージもあったのですが、無期迷途にしてはちょっと優しすぎるかな〜とも思っていて。というところで13章がああいうラストだったので、じゃあこのタイミングでと。
すべてがデタラメに見えるこの世界で
Hey my friend なぜだろうあなたの声が聞こえる
……少しずつLUNA SEAが迫ってくるような妙なリストに (笑)。作品のメインストーリー的には抽象的・神秘的なキャラが一気に増えてくる時期でした。
ここまでのキャラ分けはなんとなくで振ったのですが、最序盤から活躍するキャラ達が中心の1回目、ニューシティのキャラ達が中心になった2回目、9〜13章あたりが軸になった3回目という分かれ方になったかと思います。
退廃都市からオカルティックなキャラクター達へと連なっていった無期迷途。──例えば、パンクからポスト・パンクを通ってゴシックへと繋がっていく音楽の系譜とか、John LydonがSex PistolsからP.I.Lに移っていく過程、或いはBUCK-TICKが『TABOO』から『COSMOS』にまで発展していく過程のような。それらと同様の文脈がそこにあるのかなあ、などと思ったり。終わらない退廃と抵抗は闇を生きる姿を表現しはじめ神秘に接続していく、みたいな。うーんさっぱり知らんけどです。
一連のこのネタは一旦ここまで。File.4は忘れた頃にやるんじゃないかと思います。