GYRE Galleryで開催中のアニッシュ・カプーア展に行きました。
Anish Kapoor(1954年〜 インド出身)
現代彫刻家
本展のタイトルにある「監視社会」と展示作品との関係性について飯田に尋ねると、次のような返答が得られた。
「管理化された社会では、当局が我々を監視しているいっぽうで、我々もSNSを使って監視者になって相互監視している。カプーアは、人間の精神の底流に地下水のように流れていて、割り切れないカオスを作品化している。監視社会において私たちが目に見えない網の目のように張り巡らされているものや閉じ込められているような感覚を、私はカプーアの作品のなかで非常に感じている。つまり、その作品は鏡のように、我々がいまどのような状況に置かれているのかということを映し出してくれるのだ」。
カプーアは「赤は暗く、もちろん血ですが、内臓的な深みがあります。赤はそれ自体が詩的な存在であり、生命と死を支えるものとして神秘的です。…」と語っています。 (本展の紹介文より)
私も赤という色は特に好きな色の一つなのですが、その印象も上にあるカプーアの言葉と近いかなと。血というものは死に至る表現のようだけど根源的には生の証明でもある。赤色には「熟している」という印象もあり、またマントルのイメージもある。一方で、景色が赤く染まる夕時というのは太陽が降りて「終わる」イメージだったりします。
ちなみに一番好きな色は、作品の後ろにも見えている「白」です。空白、敷地、虚無、心、神聖、(誰かが定めた)正義、薬と毒、臨終、解放、未知や未来、Error。……大体白のイメージですね。
他のカプーアの作品
こちらは麻布台ヒルズギャラリーのオラファー・エリアソン展
Olafur Eliasson(1967年〜 デンマーク生まれ、ベルリン在住)
彫刻に光・水・気温といった自然の要素を使い、大規模なインスタレーションを表現。芸術と科学の共通点。環状体をかたどり、ブラックホールや銀河から貝殻やDNAのらせん構造にまで見られる自然の形状の彫刻などを作成、云々。
オラファー・エリアソン展 pic.twitter.com/Rmy24MfUjm
— ふらんか_six side is heaven (@somewhere_no_) 2023年11月26日
他のオラファーの作品
「芸術と科学の共通点」というお題が、隙がなくて良いなと思います。音楽で言うとKRAFTWERKのような、どこか機能美っぽさというか。勝手なイメージでドイツっぽさとでもいいましょうか (笑)。
単に気になってた2ヶ所を訪れてみただけなんですけれど、丁度「観念的な放出」と「科学の表明」の裏表のようになってしまいましたね。
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まったくどうでもいい私事ですが、実は先月から習い事をはじめました。
お箏です。
……何で? って言われると、何ででしょうね (笑)。なんか習い事を始めたかったんです。出来るだけ今まで自分が関心を持ったことのなかったもので。それで、近場で何かないか探してみたらお箏教室があったと(ちなみに先月の訃報より前から始めてはいたので、あの件でまいってしまったりしたわけではありません)。
今のところ怒られるほど手厚い教えまでは受けてはいませんが、怒られながら、「チッうるせーな」ってなりながら、人から一から教わるということを今一度やってみようかと思います。
ちなみに、お箏を始めたと話したら人に勧められた漫画は、まだ読めてません。読みます。
お箏で弾けるようになったら気持ち良さそうな曲。