2023.12.29 バクチク現象2023(前編)

 

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あまりにボリューミーかつ強大で、歴史的だったこの日のライヴ。何から話せばいいのか、語ろうと思えば全部を書き起こさないといけない気もするけれど、全部を書き起こすことはとてもできない。もう「きっとフィルムを収めた円盤が後々出るだろう」と勝手に未来にお任せして (笑)、そこに収めきれないだろうことを記していくしかないのかな。

 

 

 

まず、この告知されて以後その詳細は全く明かされなかった「バクチク現象」へと足を進めることに不安はなかったか? という話。当然あった人達もたくさんいただろうと思います。それでいいんだとも、「やっぱりあっちゃんがいないと意味がないんだ」という意見だって当然あっていい。それを否定される理由なんて何一つないでしょう。

その上で、「じゃあお前はどうだった?」と訊かれると、私自身としては正直さっぱり不安を持ってはいませんでした。それは一つには「単純に今井寿のクリエイトに不安を感じたことなんて一度もないから」。今井さんが本気で取り組むものなら形がどうなろうと絶対に面白いだろう、と。しかもそこには何でも演奏できるリズム隊兄弟・樋口豊とヤガミトールがおり、「もう一人の名曲しか持ってこない男」こと星野英彦もいる。変な話、最悪「BUCK-TICK」の名前じゃなくたってこの4人が揃うライヴなら行きますよ、絶対凄いですよ、という受け取りでした。

そしてもう一つが、直前のFT会報に載っていたメンバーコメントで星野さんが「5人でパレードを続けて」というワードを使っていたのを見かけたので。そこから自ずとどういうステージになるかはイメージが立ったというか、BUCK-TICKはこれからも “この5人” でBUCK-TICKなんだなという理解が芽生えていたから。

まあ、要は考えの浅い奴は気に病むこともなく軽い足で行くもんであったということでした (笑)。

 

 

 

…………と、ライヴの日記を綴っていきたいのですが、私事が忙しいこともあって年越しまでにライヴ記は纏めきれそうにないです。でも年跨いで文字打ちながら黙っているのは嫌だなあ……。

セトリ的な部分は年明けに回して、上記までの部分と、話題が集った各メンバーのMCは先に上げておきたいと思います。

 

 

 

おおよそのライヴの空気はこちらの記事から。

 

 

 櫻井さんの在りし日の姿が巨大画面に映し出された。ステージ中央の“定位置”にはスポットライトが照らされ、今井寿、星野英彦、樋口豊、ヤガミトールは、思い思いに盟友を感じながらメロディーを奏でた。

 今井の「さあ始めようぜ。BUCK―TICKだ!」の掛け声で幕を開けた。歌唱部分は生前のライブ音源を使用。初期の楽曲「LOVE ME」「さくら」から、最新アルバム収録曲「太陽とイカロス」「名も無きわたし」まで幅広く21曲を披露した。立ち見席を含め、チケットは即日完売。1万人が涙ながらに熱い視線を注いだ。

 終演後、来年12月29日に日本武道館公演を開催すると発表した。この先も櫻井さんの魂を継ぎ、決して歩みを止めない。(加茂 伸太郎)

 

記事にはこう纒めていただきつつも、そのステージは櫻井さんの影を映したスクリーンから始まって『疾風のブレードランナー』→『独壇場Beauty』→『Go Go B-T TRAIN』とポジティブかつパワフルに畳みかけ、まさに「見えざる魔王」と化した『ROMANCE』や『夢魔』を潜り、良い雰囲気になったところで盛大にトラブりまくって合唱と大笑いに包まれた『LOVE ME』がありと、良い方向に濃い〜〜ライヴでした。『COSMOS』、そういえば初現地だなとか思いながらひっそり合唱に加わったりしました。その辺りは年明けにでもゆっくりと。

 

 

 

 

アンコール途中のメンバーMCについては、記事に起こされている文章と自分の記憶を組み合わせて記させていただきます。

 

 

ユータさん: 今日はたくさん集まってくれてありがとうございます。……今日、来られなかった全国のファンの皆さん、ありがとうございました。時間がない中、ステージを作ってくれたスタッフの皆さん、ありがとうございます。

(※筆者は「ほぼ今井さんとアニイしかよく見えない」ような席位置だったのでユータさん星野さんの御姿は把握し辛かったのですが、多分最初から涙声だったし、この辺りから本格的に号泣されていた)

 ……1985年、新宿の小さなライブハウスに5人が立って。それからデビューしてツアーに行けるようになり、たくさんの皆さんとライブを楽しめました。

 BUCK-TICKはライブバンドなので、ライブをして成長したと思っています。そして、皆さんと作ってきたと思っています。

 あっちゃんは天国へ行ってしまいましたが、BUCK-TICKはずっと5人です。どんな未来になるか分かりませんが、1つだけ分かっていることは、これからも、皆さんとBUCK-TICKを続けていくことだと思っています。みんなでずっとずっと大切にしてきたBUCK-TICKを、これからも皆さん、一緒に作っていきましょう。よろしくお願いします。

 

 

アニイ: 不良だった弟がこんなに立派なコメントを言うとは思っていませんでした。(会場笑)

 前代未聞というか、そういう状況になりました。続けていいんだか、やめた方がいいのか、いろいろと考えました。こういう風にファンの皆さんがいるので、継続させて頂きたいと思います。どういう形になるか分かりませんが、来年は新譜のレコーディングに入ると思います。

 今井、星野英彦の脳内には、まだ何千曲と! アイデアが眠っていると思います。天才なんで。我々兄弟は努力型ですが (笑)。期待していてください。これからもよろしくお願いします。第2期のBUCK-TICK、ということで。

 

 

星野さん: 今日、新しい一歩を踏み出すことができました。不安の中、武道館に足を運んでくれて本当にありがとう。不安だったよね? みんな不安でした。

 でも、パレードはこれからも続きます、もう一度、言います。パレードは続きます。

 

沸いた。かつて「ゴリラ」だの「一人だけジジイ」だの言われてたとは思えない爽やかボイスのイケメンだけがいた。そもそも長々と喋っている星野英彦が新鮮すぎでした。

結構、自分が作った曲に対する櫻井さんの歌詞を大事にしてたんだなあって、この度何度も気づかされましたよね。

 

 

今井さん: 人生は……容赦ねえなぁ~。面白〜いぐらいドラマチックで。でも、笑えねえよ。何死んでんだよ。 ──大丈夫だよ。続けるからさ、一緒に行こうぜ。

 あっちゃんは死んだけど、別にそれは悪いことじゃありません。当たり前のことです。だから……悲しいけど、泣いてもいいけど、号泣してもいいけど、苦しまないでください。死んだことより、いなくなったことより、生きていたということ、存在していたということを大事にしてください。

 あと、あっちゃんはまだ、天国には行っていません。まだ、この辺(ステージの真ん中辺り)にいます。ていうか、ずっと一緒にいると思います。

 来年、BUCK-TICKは新曲作って、アルバムを作ります。“最新が最高” のBUCK-TICKなんで、期待していてください。

 でも、覚悟していてください。次は3人になります。(会場、???) 覚悟していてください。それでもパレードは続けます。次は2人、次は1人になり…………最後の1人は俺かな。──それでも続けるんで、みんなを連れて行きたいと思っています。

今日12月29日はBUCK-TICKにとってハレの日です。乾杯をする日です。乾杯しようか、(全員でエアグラスを掲げて)乾杯! ありがとう。みんなも帰りに乾杯して、BUCK-TICKの話、あっちゃんの話をしてください。

 

 

──今井さんは一言で纏めるんじゃないかな、と思っていたら、一番たくさん喋っていた。言いたいこと、伝えたいことがずっとたくさんあったし、でもそれはここで伝えなきゃ意味がなかったんだろうな、と思った。

「死んだけど、別にそれは悪いことじゃありません」の一言は、ファンに向けてだけじゃなくて 責任感の強すぎる櫻井さんに向けても言っているというファンの方の話を見て、なるほどと思いました。今井さんはそういう伝え方、気にし方、目配らせ方をする人だよねって。

そして、自分が最後の一人になってBUCK-TICKを掲げ続けると宣言したバンドリーダー・今井寿はあまりに強すぎた。あまり個人崇拝みたいになりすぎないようにしたいですが、私は改めて真のカリスマをこの目で見た。

この日のセトリもそうだけど、「パンクとは、“反旗” である以前に “希望への突撃力” だ」というようなことをまた今井さんに教わったような、いやもうずーっと教えられているような気がします。Baby Maybe その向こうに風が吹いている。

そしてあまり酒を呑まない私もその日は今井さんの言われた通りに終わった後呑んだのでした(話す時間はありませんでしたが)。

 

 

 

DIABOLO -Lucifer-

DIABOLO -Lucifer-

 

 

乾杯しましょう 

最後の血を掲げ

貴方の夢に 貴方の闇に

乾杯!

 

 

 

 

 

いろんなミュージシャンの方が参席を公言したライヴにもなりました。こちらは土屋昌巳さんからの言葉。

 

 

 

よいお年を!