2023年の音楽を振り返ろうとしました。

 

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この2023年に登場して自分が聴いていた音楽のまとめ……などを書こうかと思ったのですが……

 

 

 

 

少し前にレジェンドばかりのページも書いたので、じゃあ今現在のことも書かないと駄目だよねとも思いつつも。

とりあえず、途中まで書いていたものは自分で気に食わなくなってやめました。勿論今年聴いた音楽が退屈だったとかいうことでは全然なく、気に入らなかったのは自分自身の文章や態度に対してですが。まあそもそも全然聴いてないですしね。

 

 

ノベンバもスペルバも、羊文学も女王蜂もアイナ・ジ・エンドもRAYもとても良かった。そういった面子が大手を振って活躍しているというだけでも良い時代だなと思います。

 

その中で特にお気に入りの曲は? と言われたら、意外とTHE SPELLBOUND提供曲のこれかもなとも思ったり。バンドリのボーカリストの歌声を人工歌唱ソフト化したもののプロジェクトだとか。

 

 

スペルバ本家バージョンも楽しみですね。(スペルバは七草にちかに提供してほしかったなあ、くそー)

 

 

 

LOTUS

LOTUS

more than words

more than words

  • 羊文学
  • ロック
  • ¥255

堕天

堕天

  • 女王蜂
  • ロック
  • ¥255

アイコトバ

アイコトバ

  • アイナ・ジ・エンド
  • J-Pop
  • ¥255

BOY

BOY

 

 

 

 

そして、国内のフィールドからとても刺激的だったのがdansa med dig。夏botこと菅梓さんのつぶやき経由で知ったグループでした。

 

 

びっくりするほどに異邦的なシューゲイザーポスト・ロック。「時代も地域性も関係なく絶対に気持ちいい音楽はこれだ」とでも言うような……御本人たちがそう思いながらやっているのかは分かりませんが、そういう迫力が伝わってくるような気がします。流し始めるとずっと聴いていられるというほど心地良くどストライクでした。

 

 

ライヴもいずれ必ず行きたいですね。

 

 

 

 

dansa med digについては丁度先日、『ゴシックメタル・ガイドブック』の著作者でもある@tkhr_gother様(https://x.com/ville0096?t=RJyFi20B5rmFTYge2IJ4hQ&s=09)も挙げられていたのですが(勝手ながら前々から音楽情報の参考元にさせてもらっています)、

一方でその方のつぶやきから聴いてみてこれは! となったのがデンマークのMyrkurというグループ。

 

 

@tkhr_gotherさん曰く「ブラックゲイズ+Aurora」「森の中で踊るMVにbjörkの波動も感じる」とのことで、それは是非にと聴いてみたらまさしくそんな空気に埋没できる音楽でした。

北欧の旋律と響き+ブラックゲイズ、これに陶酔しない理由があるか、という感じです。もう全部買いです。

 

 

 

 

あとめちゃくちゃ今更になってCaroline Polachekを聴きました。こちらもとてもよかった。所謂ディーヴァとしてもう完成的というか。

 

 

ディーヴァの名に相応しい地球的なエネルギッシュさがあり、Massive attackのように密室的な繊細さもあり。その双方が別々ではなく一つのものとして降り注ぐような。素晴らしいですね。

 

 

 

 

 

 

 

今はソロで活動されているUTEROさんのライヴ映像をチラ見したのですが、格好いいですね。うーん趣味です。いやいや最後に物を言うのは「趣味」でしょう。

 

 

 

 

やっぱり今回も女性ボーカルばかりになってしまいました……いや本当に「これは格好いいぞ」と琴線に触れる男性ボーカリストに出会いたいのですけれども。まだ何処かにいないものか……葉月のソロ聴いたなあ、とかはありますが (笑)。まあ小林祐介に、ノージェンダーなアヴちゃんさんがいるから十分だろと言われればいや二十分ですというところでもありますしね。

 

 

今年はBUCK-TICKLUNA SEAも剛士もPlastic TreeもリリーズもWEGも揺らぎもGLIM SPANKYも新作を出しました。そう考えると、充実した一年だったような気もします。いや本当、丸一年前に『ミンサガ』という大好きなゲームのリマスターに沸いていたのがもう2年以上も前なような。

 

 

Here I Stand

Here I Stand

愛の元へ

愛の元へ

  • GLIM SPANKY
  • ロック
  • ¥255

Ave Maria

Ave Maria

  • world's end girlfriend
  • エレクトロニック

Superior

Superior

痣花

痣花

Bodies

Bodies

FACE TO FACE

FACE TO FACE

 

 

 

 

……

 

BUCK-TICKが本年リリースしたオリジナルアルバムは『異空 -IZORA-』なのですが、考えてみれば「今年リリースされたBUCK-TICKの音源」という意味では昨年の横浜アリーナ公演を収めた『THE PARADE 〜35th anniversary〜』でもいいんだよな、などとも思ったり。

 

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ちゃんと初回盤にはCD盤もありますし。その内容もこれを視聴せずして! というほどの傑作ライヴだったのだから。おそらく後世語り継がれる35周年のBUCK-TICK公演になっていくんだろうなという手応えもあり、仮にCD盤を通常販売していても確実にプッシュしていただろうライヴディスクです。

壮絶な重々しさを吐き出した公演中盤部、最高のテイクを叩き出した『相変わらず〜』『忘却』『Memento mori』『Solaris』たち、真摯な生きる意思を紡ぎながらも “確かな多幸感” が音に現れたフィナーレの『鼓動』……

とまさしく最上のライヴ盤。サブスクでタダ聴きできるものが全部なわけじゃないぞというのも含めて、こちらを異空とダブルプッシュということで (笑)。

 

 

 

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ヒズミ

ヒズミ

 

──「遺作」の呼び名がつかなくとも、生々しい切迫感によるヒリヒリとした空気は既に充満していたBUCK-TICKの最新作・『異空 -IZORA-』。

そんな印象の強い一枚だったが、数日前に改めてこのアルバムを聴いてみると、むしろそこから伝わってきたのは力強いアグレッシヴに満ちた彼の歌声だった。それは極東のやさしい魔術のような櫻井敦司の歌声。『ワルキューレの騎行』の依然国内ゴシック・インダストリアルの第一人者として揺るぎない迫力、『無限 LOOP』の以前のこの手の曲にはなかったような芯の太いボーカル、『さよならシェルター』『Campanella 花束を君に』の感情的ながら世界名作劇場のようなファンタジーにまとめきった歌唱表現。『ヒズミ』の、この世の可笑しさを全て突き刺すようなあまりの鋭利さ。そして彼の “分かりやすい言葉表現で心の深くまで喰い込ませる” 作詞センスの最高峰がこの一枚にある。

そして、そのあまりにも多彩な楽曲を用意し実現してみせる楽器隊のメンバーたち──他所のバンドのライヴに触れた後にBUCK-TICKのライヴを観ると、やっぱりこのバリエーションの豊かさ、切り替えの早さは異次元なのだと唸らされる。

 

「バンドに不可能なことなんてないんだ。ひとっつも。」 バンドリーダー・今井寿のそんな言葉が今も聞こえてくる気がする。BUCK-TICKはいつだって解散も頭打ちも色褪せも感じさせず無限に発展し続けるバンドだった。こんなにも「生きる者の驚異」を体現し続けてきたバンドは世界中にもまたといない。BUCK-TICKはこれからも “生ける伝説” だ。

 

 

──個人的なことも本当に色々あった、長い長い一年でした。

 

 

 

 

というわけで、明日は12月29日。

 

 

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武道館で会いましょう。